コード・ピンク大阪 沖縄再訪 2008.10.18~21
ことし五月にアン・ライトさんとおとずれた沖縄を今回は、イタリアのドキュメンタリー映画制作スタッフとまわりました。
彼らがめざす映画の概要を紹介します!
常備軍 スタンディング・アーミー
ドキュメンタリー 制作 トマス・ファジー、エンリコ・パレンティ
20世紀を通して、アメリカは歴史上かつてない程、軍事基地を世界中に蜘蛛の巣のごとく張り巡らせてきた。今や米軍基地は、少なくとも100ヶ国に700以上置かれている。米軍基地のない大陸はないのである。
米軍基地は、今日の世界の動向を決定する最も強力な勢力であるが、あまり話題にのぼることはない。何百万人もの人々の生活に影響を与えているにもかかわらず、実態は謎に包まれたままである。
どうしてドイツ、イタリア、日本といった諸国が、第二次世界大戦終結から60年余、冷戦の終結からほぼ20年が経過した今尚、自国内に何百もの米軍基地、何千人もの米兵を居座らせているのであろうか。
世界におけるアメリカの覇権維持に米軍基地はどのような役割を果たしているのであろうか、我々の未来をどう形成しようというのであろうか。
経済的にも、政治的にも、文化的にも衰退の一途をたどる帝国にとって地球規模の軍事基地の存在は最後の拠りどころなのであろうか。
基地は周辺の住民の暮らしにどのような影響をあたえているのであろうか。他の地域に住み何も知らされていない国民は自国の基地のことをどう考えているのだろうか。
これらの質問への回答を求めて我々は、高名な学者、専門家、政治・軍事のリーダー、政府やCIAの元高官、哲学者、政治活動家など様々な人々にインタビューを試みることにした。すでに、ノーム・チョムスキー、ゴア・ヴァィダル、チャルマー・ジョンソン氏らとのインタビューを行った。米軍基地の直接の影響を受けている人々の証言はショッキングであり、また彼らの闘いには励まされる。新基地建設阻止に立ち上がったイタリア・ヴィチェンツァ市民達、米軍基地建設用地となり島を追われたインド洋にあるディエゴ・ガルシア島元住民の長年にわたる島への帰還の戦い、30以上もの基地がひしめく中での暮らしを強いられ、長年にわたって暴力と虐待に耐えてきた沖縄県民の闘い、基地の無い世界を求めて闘うヨーロッパやアジアの草の根の活動などを見、同時に基地内に住む人々、ほとんど、時には全く何の準備をする間も与えられず遠くの場所に送られる男達、女達の声も集めた。
我々の目的は地政学的見地から基地の分析を試みることである。すなわち、この問題の最高の権威・専門家の声とともに、基地の有刺鉄線の両側に居る人々の生の声を通しての分析である。最先端の記録文書にあたり、コンピューター・グラフィック、動画地図、漫画等を駆使して、基地問題を考えるうえで出来る限り広範な視聴者に利用しやすいものに仕上げたいと考えている。アメリカ帝国と世界の今後という懸案の議論に新鮮で独自な見解を提起出来る事を願いつつ。